高齢者と記憶力
高齢者になると記憶力が衰えると言われていますが、本当でしょうか?
私は現在(2024年)81歳になりますが、若い頃より記憶力が衰えたという認識はほとんどありません。
テレビで百歳を越えた人が、昔のことをしっかりと憶えていて話をしているのを観たことがあります。
私の知っている30代の女性の方ですが、2階に用事があって階段を上がってから「何しに2階に来たんだっけ」と思い出せないことがよくあると言ってました。
本当のところは記憶力と年齢とはあまり関係ないのではないかと思っています。
記憶力には個人差があります。この個人差だって持って生まれた能力というより、記憶の仕方に差が表れているように思います。
記憶力の鍵はイメージ力にあります。
あるいは心が動いたかどうかにも大きくかかわっています。
初恋の人のことは、いつまでも忘れないで高齢者になっても憶えているでしょう。
楽しかったり、辛かったりした出来事もよく憶えているでしょう。
そういったことは年齢に関係なく憶えているものです。
それはイメージとして、あるいは感情を記憶しているからなのです。
この本の高齢者講習 認知機能検査の「手がかり再生」のイラストの覚え方は、私たちのイメージ力を使った方法です。
これをイメージ記憶法と名づけています。
頭を使わないと記憶力は衰える
人間の能力は使えば使うほど増え、使わない能力は衰えます。
お相撲さんを見てください。現役のお相撲さんの体格と引退してから後の体格は大きく違いますね。
使わない筋肉は衰えていくように、私たちの能力も使わなければ衰えていきます。
高齢者の方の記憶力の衰えは、必ずしも年齢のせいだけではありません。
仕事を引退し頭を働かせる機会が減れば、記憶力も衰えていくのは自然なことではないでしょうか?
仕事を引退した後でも、文章を書く趣味とか読書とかを欠かさない人の記憶力はそんなに衰えないと思います。
車の運転をすることもかなりの頭脳を使う行為だと思います。なにしろボーっとして運転はできないですから。
認知力が衰えない限り、私は車の運転をやめません。車の運転は長い間の生活の一部になっていますので。
高齢者の運転は危険だからと、運転をやめないまでも運転の機会を減らすことも、安全運転にとって逆効果かもわかりません。
むしろ毎日でも運転を心掛けた方が、運転技能や注意力の衰えを防ぐのではないでしょうか。