70歳以上の方で免許更新を行う方参考にしてください。
【目次】
【70~74歳運転免許更新の内容】
【75歳以上運転免許更新の内容】
【高齢者運転免許更新にあたって】
【70~74歳の方】
1 高齢者講習2時間
・座学(教室でビデオをや指導員の安全教育を受講)と運転適性検査が行われます。(1時間)
・実車による指導(点数によって自主返納やサポカー限定免許を勧告されます)(1時間)
原付、二輪、小特、大特のみの方は実車はありません。座学と運転適性検査のみです。これは75歳以上でも同じです。(1時間)
【75歳以上の方】
1 認知機能検査
免許証の更新期間満了日(誕生日の1か月後の日)の年齢が75歳以上の方で免許更新を希望する方は、認知機能検査の受検と高齢者講習、運転技能検査(交通違反を起こした人)を受けなければなりません。
認知機能検査は、運転免許証の更新期間が満了する日の6ヶ月前から受けることができます。検査の対象となる方には、運転免許証の更新期間が満了する日の6ヶ月前までに認知機能検査と高齢者講習の通知が警察から届きます。
医師の診断書等を提出した場合、認知機能の検査は免除されます。
検査内容
自分の判断力、記憶力の状態を知るための簡易な検査です。
検査内容は、時間の見当識、手がかり再生、という2つの検査項目について、端末に記入して行います。端末は提供されます。
検査の実施は、約30分ほどで終わります。
具体的に行われる実施内容は、次の3つの項目が実施されます。
(1)時間の見当識 (2)手がかり再生 (3)介入課題
但し、(3)の介入課題は、採点されません。
判定結果
1 | 36点未満 | 認知症のおそれあり |
2 | 36点以上 | 認知症のおそれなし |
(判定結果 その1)
臨時適性検査(専門医の診断)の受検
「認知症のおそれあり」 という判定結果が出た方
又は医師の診断書の提出
※ 運転免許本部より通知が来ます。
・認知症にあらずと診断された方は、高齢者2時間講習
・認知症と診断された方は、残念ながら免許証の停止・取消しとなります。
(判定結果その2)
「認知症のおそれなし」という判定結果が出た方
・高齢者講習2時間
座学(教室でビデオをや指導員の安全教育を受講)と運転適性検査が行われます。(1時間)
実車による指導(点数によって自主返納やサポカー限定免許を勧告されます)(1時間)
2 高齢者講習
高齢者講習、実車指導(指定された方は運転技能検査)、認知機能検査の順番はありません。
ご自分でいずれからでも受講できますが、通常は警察署からきた通知書に従って受講します。
高齢者講習は座学(教室内での講習)と実車指導です。
座学ではビデオを使った安全運転の講習や指導員による講習が行われます。
※ 居眠りは絶対に駄目です。居眠りをすると受講終了証はもらえません。
実車指導
講習所内のコースを走行して行われます。
一人当たりの指導時間は大体15分程度です。
点数がつけられ、それに基づいてサポートカー限定免許や自主返納が勧告されます。
特に気をつける点は、信号は必ず守ることと必ず一時停止線の手前で止まることです。
3 運転技能検査
過去3年以内に一定の交通違反を起こした人は、運転技能検査を受けなければなりません。
検査は講習所内のコースを走行して行われます。
一人当たりの検査時間は大体15分~20分程度です。
点数がつけられ、70点以下ですと免許停止になります。
特に気をつける点は、信号は必ず守ることと必ず一時停止線の手前で止まることです。
信号無視と一時停止違反はともに30点の減点ですので、それだけで免許停止です。
信号が青でも前方の車が交差点の向こう側で停止している場合も発進してはダメです。
運転技能検査が行われる前に指導員による説明があり、どこに気をつけるのかがわかりやすく指導されますので、よくよく聞いて検査に臨みましょう。
落ちても免許証更新の期日までなら何度でも検査を受けることができますので、できるならこの検査は早めに受験することをおすすめします。
4 講習内容の大切なポイント
75歳以上の方が免許を無事更新するためのポイントは、「手がかり再生」での問題でイラストを4つ以上正解することと、実車指導もしくは技能検定で信号を守ること、一時停止線をはみ出さないで停止することです。このことを実践すれば間違いなく合格します。
信号に従うことや一時停止をきちんと出来なかった方は、免許の自主返納やサポートカーにすることをお勧めします。
家族の方から自主返納を勧められている方は、このことを条件にされたらどうでしょうか?
あと注意する点は、免許証を受け取る際の視力検査です。視力も年齢とともに衰えていきますので、事前に眼鏡をチェックしておくことも忘れないでください。
1 運転免許更新時の問題点
高齢者の方が運転免許を更新するときには、運転を継続するのかそれとも自主返納をするのかの判断に悩まれると思います。
将来、安全運転をほぼ完全な形でできる新しい車が出来た時、高齢者でも安心して運転できる時代がもうすぐ来ると思うのです。
そのとき、あの時自主返納をしなきゃよかったと後悔するかも知れません。
どんなに安全な車でも、または完全自動運転の車でも運転免許証は必ず必要だからです。
運転技能や運転知識を必要としない完全自動運転の車であっても、認知症の方には絶対に扱うことは出来ないでしょう。行き先やルートといった設定は必須だからです。
一度免許を返納すると再び免許を取得するのは非常に困難でしょう。
運転免許の自主返納は慎重になるべきだと思います。
安全に運転できる完全自動運転の車が比較的手軽に購入できるようになるまで、高齢者の方にはサポートカーをおすすめします。
2 サポートカーの主な機能
● 衝突時の被害軽減ブレーキ
障害物に近づいた時ブレーキが自動で働き、止まるサポートをします。
● 踏み間違いした時の急発進を抑制装置
アクセルとブレーキを踏み間違えた時に急発進しないようにサポートします。
アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故は、75歳未満の運転者では全体の1.1%ですが、75歳以上では7.7%と高いデータが出ています。75歳以上の方は特に気をつけたいですね。
● 車線はみだし警報装置
車線をはみ出した時、警報音で知らせるサポートです。
● 先進ライトで危険を早期に認知する機能
ヘッドライトのハイビーム(上向き)とロービーム(下向き)を自動で行い危険をいち早く発見するサポートです。
※ こうした安全装置はあくまでもサポートであり、路面や気象条件により作動しない場合もありますので、過信しないようにしましょう。
サポートカーの勧め
サポートカーの試乗会がディーラー、イベント会場などで開かれていますので、ご家族で参加されて体感することをお勧めします。
積極的にサポートカーを選択されることによって、ご家族の不安もやわらげることができるのではないでしょうか。
何よりも運転している本人が一番気が楽になります。
75歳以上の方で実車指導で万が一いい結果が出せなかったときに、サポートカーに乗っていると告知することですみやかに運転免許の更新ができます。
サポートカー限定免許
サポートカー限定免許では、次の安全運転支援装置が搭載された普通自動車のみ運転できます。
1,衝突被害軽減ブレーキ(対車両、対歩行者)
2,アクセル、ブレーキペダル踏み間違い時加速抑制装置
後から付けられた装置については対象外です。
(注意点) サポートカー限定免許でサポートカー以外の普通自動車を運転した場合は、免許条件違反となりますので注意が必要です。
サポートカー限定条件の解除を希望する場合は、公安委員会の審査を受ける必要があります。
1と2の装置の機能について詳しくは、日本自動車工業会で作成した動画をご覧ください。
3 高齢者の方の運転免許更新に際して
運転中に危ないと感じる場面に遭遇することがあります。その時、たいていの場合自分は悪くない、相手が悪いととっさに思います。
先方の運転手が高齢者だと一層そんな風に受け取られるのかも知れません。
こうした危ないと感じる運転をするのは、年齢に関係なくその人の技能、集中力、判断力などによるのですが、やはり高齢者の方のほうが危険と感じる場面は多いのかも知れません。
高齢になるにしたがってどうしても集中力や判断力といった認知力が衰えて来るのは否めない面があります。
高齢者でもしっかりとした認知力を持っている方がいるのも間違いない事実ですが、
高齢になるにしたがって日常的な仕事や付き合いが少なくなってくるに従って認知力が衰えるのはしかたありません。
八十歳を越えるとアクセルとブレーキの踏み間違いが多いというのはデータ上で明らかになっています。
それはアクセルとブレーキの位置を判断する能力が衰えていることを意味します。
このことをはっきりと自覚すれば、普段からブレーキの位置を何度も確認することが大切ではないでしょうか。
常にアクセルから足を離し、ブレーキを踏むというトレーニングを行うことで踏み間違いによる危険は避けられるはずです。
高齢者の方が運転免許の更新を行う際には、自分たちは集中力や判断力、認知力が衰えていっているという自覚が最も
大切ではないでしょうか。
そして自分が衰えてきていると思う運転動作の部分を繰り返し反復練習をすることで安全運転を継続できると思います。頑張ってください。
認知力の衰えを防ぐ生活の仕方
認知力の衰えは記憶力も衰えさせ、確かにイラストの覚え方に影響を与えます。
その認知力を少しでも衰えさせないようにすることが、年をとるとともに大切になってきます。運転免許の更新を目指す人は、認知力を衰えさせない生活の仕方を考えましょう。
認知力の衰えは頭を使わなくなることから始まると思われます。高齢になると仕事から引退し、煩雑な生活のための手続きなどからも解放されていきます。
それはそれで生活の負担感が減りのんびりと余生を過ごせていいのですが、その反面、集中力や判断力を働かせる機会が失われ、結果、認知力が衰えていきます。 生活の中で欠かせないのはコミュニケーションです。コミュニケーションは生きていく中で脳を活性化させるのに必須です。家族も少なくなり人づきあいが減った場合でも、積極的に買い物など人との接触を増やすことが大切です。 旅行もいいですね。行き先を選択したり、準備や時間の計画性などに頭を使いますし、何より楽しさを感じます。喜びの感情は脳を活性化させます。いろいろ生活の中に変化を与えましょう。さらに日常生活において認知力の衰えを防ぐ生活の仕方を考えてみましょう。 よく耳にするのは、「うちの夫は定年退職後一日中ソファーに座ってテレビばかり見ている」という奥様の声です。
そういう奥様は若い時から掃除、洗濯、料理、買い物と生活のパターンは変わりません。それだけ認知力の衰えも少ないのではないでしょうか。
定年後閑になったご主人は、何か趣味をみつけて始めたり、地域のボランティア活動に参加したりをすればいいのですが、そこまで活動する人は少ないようです。
せめて奥様の買い物についていって荷物を持つとか、品物を選ぶとかを行うといいですね。なにしろ行動し頭を少しで も使うことが自分の集中力や判断力を衰えさせない秘訣です。
図書館へ行ったり神社仏閣めぐりもおすすめです。何でもいいですから自分で考えて行動を起こしましょう。
少しでも運転免許の更新を長く続けたいのならそれだけの努力も必要とします。
交通弱者の移動手段 現状
高齢者で運転をする人の悩みの一つは、いつまで車生活を続けるかという判断です。
確かに家族の安心のためには、少しでも早く自主返納したほうがいいように思われます。
そこで自主返納したあとの生活を考えてみましょう。車のない生活です。
それは自分一人で生活していくのか、あるいは配偶者などの同居人がいるのかどうかで、生活の仕方が変わってきます。
いままで自分が病気で病院通いをしていた人もいるでしょう。または同居している人を車で病院へ送り迎えをしていた人もいるでしょう。
それがどう病院への移動手段を確保するのか?そしてその移動手段の自分や同居人へ与える負担は?
同じように買い物の手段をどうするのか?たまに旅行に行く際の移動手段は?などなど・・・。
車生活を終えたあとの生活については、よくよく考えてみる必要があります。
また自分が住んでいる地域の特性があります。街中に住んでいる人は、比較的にバスの便がよかったりするでしょう。でも住んでいる地域によっては移動手段にとても困る地域もあるでしょう。
今の社会の実情では、車の免許を返納した人の交通弱者には十分な対応がなされていません。
交通弱者にとってはとっても生きにくい社会なのです。
車生活に終止をするまえに、家族とよくよく相談して悔いのない結論を出してもらいたいものです。