高齢者講習制度の問題点

高齢者講習を受講して感じた問題点を書きます。

現在は免許更新までの3年以内に交通違反をした人は、運転技能検査を受けることが義務づけられました。

じつはそこに問題があります。交通違反をした人に限定されているからです。
つまり前提となる考え方には、交通違反をした人には認知力や運転技術に問題があるかもしれないという考え方が根底にありそうですね。
はたして交通違反をした人は認知力が衰えていたり、運転技術に問題がある人たちでしょうか?
確かに交通違反を犯すのは正しいことではありません。違反をしたことは罰せられるべきです。

私が前回、高齢者講習を受講した時、まだ運転技能検査の制度は始まっていませんでした。
その時は、高齢者の方全員が違反をしていようが、いまいが実車指導を受講しました。

教習所の車に3~4人同乗し、それぞれの運転技能を観察、指導されました。
そのとき同乗者の一人の運転があまりにひどくて驚いた経験があります。
赤信号なのに止まらず走行はするし、反対車線を走行したり、とにかくこの人ほんとに免許を持っているのかと疑いたくなるほどでした。

たとえどんなに危険な運転技術をする人でも、法律上免許の取り上げはありませんでした。
2023年5月からの法律の改正後は、自主返納やサポカー限定車にするよう勧告されますが、免許の停止はありません。
免許の停止が行われるのは、交通違反をした人に限られます。

交通違反を起こした人は、考えようによっては、仕事や用事で頻繁に運転を行っているから、たまたま違反を見つかったという人も多いのではないでしょうか?
運転技能や認知力と違反したこととはあまり関係ないように思います。

できれば交通違反のあるなしにかかわらず、高齢者運転免許更新をする人全員に運転技能検査をすべきだと思います。
そうすれば、さっきのような危険運転をする人は確実に運転をやめさせることができます。

ただ講習所の負担、人員の不足、講習場の確保などでそこまでの実施は無理だろうと思います。
ですがいずれ高齢者全員の運転技能検査は必要となるでしょう。
そこまでしないと高齢者による交通事故は一向に無くならないだろうと思います。

希望を感じるのは、完全な自動運転の車が走行できる時代がすぐ近くまできていることです。
高齢者全員がそんな車を運転するのは、まだまだ先の話ですが・・・。

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