75歳以上の方で認知機能検査のイラストを覚える方、参考にしてください。
【目次】
1 高齢者講習の認知機能検査ではイラストの覚え方がきわめて大切です。
認知機能検査「手がかり再生」の自由回答でイラストを4つ回答すればほぼ合格です。
【手がかり再生対策】
1 高齢者講習の認知機能検査ではイラストの覚え方がきわめて大切です。
高齢者の免許更新の際、その人の記憶力を調べるために「手がかり再生」のイラストをどれだけ覚えられるかという検査が行われます。
イラストをどれだけ覚えているかどうかという検査内容以外には、「時間の認識」という検査がありますが、これは余程認知力が衰えていないかぎり簡単に答えられます。認知症以外の方はほぼ全員正解するでしょう。
認知機能検査を受検する方は、出題されるイラストを事前に覚えておけば一番問題ないですね。
でも「手がかり再生」のイラストはA、B、C、Dの4パターンがあり、全部で64枚のイラストです。しかも4パターンがすべて共通の手がかり(たとえば戦いの武器、楽器とか)で構成されていますからそのまま覚えるのはとても大変です。
そのうえ、実際の試験では、一度見せられたイラストをすぐ答えるのではなく、回答するまでの間に「介入課題」という指定された数字を消すという問題が設けられ時間調整されます。
認知機能検査「手がかり再生」の自由回答でイラストを4つ回答すればほぼ合格です。
総合点で36点をとれば合格します。
時間の認識の点数は最大で15点となります。「手がかり再生」では自由回答で正解すれば、一つ正解で2点になります。4つ正解で8点です。
総合点=1.336×時間の見当識の点数15点+2.499×手がかり再生の点数8点≒40点
点数計算はこれ以外に「手がかり回答」の点数もありますが、自由回答で正解すれば点数は入りません。
認知機能検査は認知力の衰えた人を見つけるための検査ですので、認知力が普通であれば問題なく合格できる内容です。
とはいっても、運転免許の更新を控えた高齢者の方のなかには、買い物や病院通いなどで車をどうしても必要とする方たちがいて、免許が更新できるかどうかとても不安になっている方もいらっしゃいます。
高齢者だから免許証の自主返納が正しいという意見には賛成できません。
高齢者の方は何十年も車社会を生きてきました。車は生活の一部になっているのです。
免許を失う喪失感を想像してみてください。免許を失ってから生活のリズムがくずれ、認知力が急速に衰えていくとも言われています。
高齢者でも間違いのない安全な運転をする方はたくさんいらっしゃいます。
しかし、この人の運転は危ないなと感じさせる高齢ドライバーがいることも確かです。
高齢者の運転はみな危ないわけではないことを、よく理解していただきたいものです。
その見分け方は教習所での運転実地指導に任せるほかありません。
危険と判断された方には、自主返納を義務付けたり、あるいは安全装置付きの運転を義務付けたりの制度を充実してしていくしかありません。
私は、どうしても免許が必要な高齢者の方が、不安なく気持ちを楽にして受検できる手助けをしています。
私は2018年から「高齢者講習 認知機能検査 高得点対策」「高齢者講習 認知機能検査 完全攻略」「高齢者講習 認知機能検査 内容・問題のすべて CD付き」の本を発行し、独特のイラストの覚え方で、数多くの高齢者の方のお役にたってきました。
2 高齢者と記憶力
高齢者になると記憶力が衰えると言われていますが、本当でしょうか?
私は現在(2024年)81歳になりますが、若い頃より記憶力が衰えたという認識はそんなにありません。
テレビで百歳を越えた人が、昔のことをしっかりと憶えていて話をしているのを観たことがあります。
私の知っている30代の女性の方ですが、2階に用事があって階段を上がってから「何しに2階に来たんだっけ」と思い出せないことがよくあると言ってました。
本当のところは記憶力と年齢とはあまり関係ないのではないかと思っています。
記憶力には個人差があります。この個人差だって持って生まれた能力というより、記憶の仕方に差が表れているように思います。
記憶の仕方の違い
記憶といっても記憶する対象によって記憶の仕方は違ってきます。
結婚披露宴でのスピーチを頼まれた人は、繰り返し原稿を読んで覚えようとします。詩を覚えるのも詩を反復練習しますね。
歴史の年代を覚えるには語呂合わせといった覚え方で覚えていきます。
記憶すると言ってもそれぞれに応じたやり方があります。比較的楽に覚えられるのは歌ですね。歌には文章だけではなくリズムがあるからです。
「手がかり再生」のイラストを覚えるのも、比較的楽なのです。それは単独の絵になっていますのでイメージしやすいのです。
頭を使わないと記憶力は衰える
人間の能力は使えば使うほど増え、使わない能力は衰えます。
お相撲さんを見てください。現役のお相撲さんの体格と引退してから後の体格は大きく違いますね。
使わない筋肉は衰えていくように、私たちの能力も使わなければ衰えていきます。
高齢者の方の記憶力の衰えは、必ずしも年齢のせいだけではありません。
仕事を引退し頭を働かせる機会が減れば、記憶力も衰えていくのは自然なことではないでしょうか?
仕事を引退した後でも、文章を書く趣味とか読書とかを欠かさない人の記憶力はそんなに衰えないと思います。
車の運転をすることもかなりの頭脳を使う行為だと思います。なにしろボーっとして運転はできないですから。
認知力が衰えない限り、私は車の運転をやめません。車の運転は長い間の生活の一部になっていますので。
高齢者の運転は危険だからと、運転をやめないまでも運転の機会を減らすことも、安全運転にとって逆効果かもわかりません。
むしろ毎日でも運転を心掛けた方が、運転技能や注意力の衰えを防ぐのではないでしょうか。
イラスト用の記憶の仕方
私たちは学生時代には、歴史の年号を記憶したり、詩を暗唱したり、人物の名前を覚えたりと記憶することに努力をしてきました。
学生の頃に成績の良かった人は、自分は記憶力に自信を持っていると思っている人が結構います。
ですが「手がかり再生」で出題される問題には以外と手こずる人が多いのです。
絵を覚えることはあまり学校ではなかった学習です。ですから学生時代の成績と「手がかり再生」の問題を楽に答えるのとは関係ありません。
記憶に自信のなかった人が案外すんなりいい点を取っている人も結構います。
イラストの覚え方で大切なのは、イメージ力です。普通は語呂合わせや反復練習で覚えていくのですが、動物や楽器、花といった物質はイメージで覚えるのが一番です。
そこのところを理解しないで安易に検査に臨んでも合格点は取れても意外と苦労します。
この本にはイメージで検査に出る問題を簡単に覚える方法を載せています。是非参考にしてみてください。
3 「手がかり再生」のイラストの覚え方について
「手がかり再生」で出題されるイラストはパターンA,B,C,Dの4つに分けられ、そのうちのどれか一つのパターンが出題されます。
そしてパターンA,B,C,Dのそれぞれのイラストは統一された内容で構成されています。
この検査の制度ができてから今まで一度も「手がかり再生」のイラストは変更されていません。
おそらく今後も変更されることはないと思われます。もし変更されるとしたら警視庁のホームページで一年くらい前から告示されます。
ですから安心して取り組んでください。
イラストを覚える鍵はイメージ力にあります。
初恋の人のことは、いつまでも憶えているでしょう。
また楽しかったり、辛かったりした出来事もよく覚えていますね。それは、年齢に関係なく覚えているものです。
それはイメージとして、あるいは感情を記憶しているからなのです。
次の言葉をイメージしてください。
「あなたの股間にライオンが嚙みついた」
目をつぶって自分の股間にライオンが噛みついたと想像してみてください。
しばらく時間をおいてから自分の股間と言えば何かを思い出してください。簡単に思い出せるでしょう。これは数日経っても忘れません。
それは、あなたの感情に、通常でないこととして強く印象されているからです。股間をイメージさせてすみません。股間を使ったのは強くイメージに残るからです。
もう一つイメージしてみましょう。
あなたの街の市役所(町役場)に飛行機が墜落してきた。
ライオンや飛行機は「手がかり再生」に出る実際のイラストです。
このように自分の通常でない出来事や痛いとか怖いとかの印象は覚えやすく忘れにくいのです。
こうしたイメージを使ったイラストの覚え方をイメージ記憶法と名づけました。
高齢者講習の認知機能検査で出題されるイラストの覚え方を、このイメージ記憶法を使って作りました。
パターンA,パターンB,パターンC,パターンDそれぞれのイラストを統一された内容で覚えやすいように工夫してあります。
「手がかり再生」のイラストは合計64枚あります。
「手がかり再生」という問題は、これは高齢者の方の記憶力を調べる問題です。
パターンA,B,C,Dの4パターンがあり、それぞれ16枚のイラストが出題されます。
どのパターンが出題されるかは、当日の検査開始まで誰にもわかりません。
はじめに4枚の画像がタブレットに表示されます。
例えばAパターンが出題された場合、「これは大砲です。これはオルガンです。これは耳です。これはラジオです」と説明され、
さらに「この中に楽器があります。それは何ですか?オルガンですね」「この中に電気製品があります。それは何ですか?ラジオですね」「この中に戦いの武器があります。それは何ですか?大砲ですね」「この中に体に一部があります。それは何ですか?耳ですね」と1分位説明を聞きながら画面のイラストを覚えていきます。
次の4枚の画像に画面が変わり、同じように説明を聞きながら覚えていきます。
4回画面が変わり、合わせて16枚のイラストを説明を聞きながら、およそ5分位で覚えなければなりません。
「介入課題」への取り組み
「手がかり再生」の問題を見せられた後、回答するまでの間に時間調整のための「介入課題」が行われます。
この問題は採点されません。ただの時間つぶしです。
この「介入課題」は真剣に取り組む必要はありません。むしろ適当に答えておいて、その間にイラストを思い出すよう にしたほうが賢明といえます。
では頑張ってください。